メイキングを見て劇場版のあれこれを考える

配信がバラバラで、新たにウルトラマンを見たい人に勧めるのが面倒だった以前とは変わり、円谷イマジネーションはとてもありがたい

それに伴い、「セブンガーファイト」なるセブンガーの語られなかった物語と最終回後の物語、「擲命のデシジョン・ハイト」という特空機開発秘話も公開された。

こうやって、劇場版がなかったZだが様々なメディアで展開していくのは非常に嬉しいことでもあります(この流れでオーブ10構成とかクライシスインパクトの小説とかお願いします)。

それらを堪能する間にウルトラマンZメイキングを鑑賞していたが、そこで田口清隆監督からある一言が今回のブログを書くきっかけとなる。

 

「今回、始めから劇場版の予定はなかった」

 

まさか散々期待されていた劇場版の有無がここで明かされるとは思ってもみず、驚きを隠せなかった。

シリーズ構成吹原幸太氏不在の為、コロナ禍影響の為、シンウルトラマン公開に被る為等、様々な憶測が飛び交っていたが、始めからとなるとまた色々考えものである。

 

上からそういう事にしよう。って話になっていても考えずにはいられない。円谷側からの提案でもバンダイや松竹が了承するとは思えない。集客が望めないってのは、この情勢少し分かるが同年代作品ほぼ全員が制作している。脚本についてもジードの件がある。トリガーの映画でと言ってもそれはトリガー陣の映画であってダブル主人公も怪しい(監督脚本の腕次第)。今の制作体制で映画2本も無理だろう。TV本編が劇場版レベルの為そこで予算を使っているかもしれないが、メイキングを見る限りそうとは思えないし、ここまでヒットして他が予算を出さないのもないだろう。

 

こう考える内に、そもそもウルトラマンZとは制作初期段階で力が入っていたのかと疑問になってきた。

過去のインタビューで玩具の量を見て「断ろうと思った」と言われるほどであり、劇中でも後半使われないものが複数あった。

ゼットランスアローが過去に発売された玩具の形そっくりで、ベリアルの首がついた剣が公開されて、バンダイウルトラマン部門はやる気があるのか発表当時は疑いもした(ベリアロクはメイキングで語られているが、エクスラッガーと親戚のような関係であり、宇宙の穴と縫う針は常にセットで存在している。と解説があるが、最初にあったのがおもちゃなのか、この設定なのかは不明)。

 

田口監督が「セブンガーは人気出る」とアプローチして出したと語っている。吹原幸太さんも田口監督が連れてきた。現場の反省から、シリーズ構成に監督自身も入る事によって全体の調整もできるようになった。

 

ここまでの現場の自由を許してくれる、円谷やバンダイはさすがだな〜と思うだろうか。

正直、私はピリカ降板事件を思うとまだそうとは考えられない。

勝手な妄想だが「人気のゼロ10周年要素入れてベリアルも入れて、フュージョン系全部できるこれだけのおもちゃ出すけど後は田口君の好きにしていいよ」と解釈すると色々納得できなくはないだろうか。

 

では、円谷やバンダイはどこに目を向けていたか…

そう「ウルトラマン55周年」&「ウルトラマンティガ25周年」ではないだろうか

 

55周年記念にシンゴジラ陣によるウルトラマン東宝とタッグで「シンウルトラマン」、日本で今だに人気トップであり中国では圧倒的な支持者数を誇るティガの流れを組む「ウルトラマントリガー」。

Z制作中、この2本がむしろ本命であり、トリガーは劇場版Zの制作スケジュール、予算を割いてでも力を入れたかったのではないか。

 

これだけ力の入った、また上層部の圧や介入がありそうな新作に期待と不安を抱かずにはいられない。