ウルトラマントリガー 第4話までの感想 なぜ「押忍」は良くて「スマイル」はダメなのか

 

 

 

今回は酷評です。楽しみに視聴している方は読むことをオススメしません。

 

トリガーの評価すべき面白い部分は次回に書きます。

 

 

 

 

 

 

今回のウルトラマントリガーは放送前に「荒れるだろうな」という覚悟は持っていたが、4話まで視聴し、ざっと感想を見たところ妥当な賛否両論具合だったので、私も今抱いている感想を書こうと思う。

トリガーは今の所各10点で「脚本2点、特撮9点」と思っている。ネットの否定的意見も9割脚本だ。

「あれもやらなきゃ」「これも出さなきゃ」でいっぱいいっぱいになっていて丁寧な描写がない。

 

その最たる例が主人公マナカケンゴだ。彼のことを掴みきれていない。

 

前作や他を比較に出すがこういった作品ではそれは避けられないので許してほしい。

 

まず「世界中のみんなを笑顔にしたい」という思いの強さが分からない。

彼が植物学者で花を研究しているのはその為だが、4話現在まで花で笑顔になった登場人物はいない。例えばZで任務中に犬を助けてしまうように、仮面ライダークウガの特技で女の子を喜ばすように、説明ではなく描写があれば画で理解できるのだが、現状ないので力を手にする前に持っていた「信念」を説明しなければ理解できなくなってしまった。

 

彼の言葉「スマイルスマイル」も馴染めない。

前作Zは返事に「押忍」、掛け声で「チェスト」という。これらの言葉は昔から数多くの漫画などで用いられてきたポピュラーな言葉だ。初めて聞く子供は親に聞けば直ぐに理解出来る。だがスマイルなんて聞いたこともない。

いや、1人言っていたのを覚えているが、あの爺さんに良いイメージなんてない。

子供でもスマイルの意味は分かりそうだが馴染みはないし、普段使いも聞いたことがない。使いどころも分からない。

そして、この言葉について母親や隊員がだれもツッコミを入れてくれなかった。最も主人公に反発し彼の説明不足な信念の強さを描写してくれそうな科学者アキトも、彼を受け入れてしまった。

だが4話でアイテムを渡し終わり、まだ彼を完全に信頼しているわけではなさそうなのでまだ希望はある。

 ここまで主人公に感情移入させない流れは、全て「主人公が善側ではない伏線」と考えれば、この説明不足も理解できる。「みんなを笑顔にしたいんだ」とよく言う言葉の意味も変わってくる。

 

あれも伏線。これも伏線。

 

伏線を主軸に置いたウルトラマントリガーのストーリーが真に評価されるのはこの伏線が決まるかどうか。そのときまでこの賛否両論の状態は変わらないだろう。

 

玩具関連の扱いも悪い。

今回はガッツスパークレンスに「怪獣」のキーを差し込みその力を相手にぶつける。

食玩等は全部怪獣で統一されている。だが、本編でその活躍を全く見れない。本編で2回使われたが、4話放送された中のたった2回。物語にも全く絡んでこず、大した活躍がない。

今回の売りはガッツハイパーキーのはずなのに、この扱いは理解しがたい。脚本の中に活躍できそうな場面は確かに少ないが、それを上手く考えることも近年の番組作りにおいて必要ではないのか。

これは本編にしっかりと玩具を絡ませてきたニュージェネらしくない。タイプチェンジキーを渡し終えた今、「ティガの時の様なウルトラマン」が逆に過去の玩具売り上げが悪かった頃に戻してしまったのではないか。

今までファンは「ウルトラマンが玩具を使う」のが反対されていたのであって、隊員が使うのは全く違和感がないはずなのに…

 

訂正

総集編を見たら3回使ってました。申し訳ありません。

 

と、まあこんな感じで脚本が評価されなくても仕方ないかな。っとは思ってるのだが

 

 

 

では、特撮部分はどうか。

これはめちゃくちゃ凄い。しかも、凄いだけではなく今回は特撮の方向性を定めた表現を貫いているので、その想いはまた次回にでも語りたい。