ウルトラマンZ 第19話まで ウルトラマンを未来へ繋げる実験作品

19話まで来て今だ勢いの劣ることを知らないウルトラマンZ。

出るソフビ、玩具、ガチャも今だに品薄。今年の情勢も相まって転売価格高騰も屢々。 

その秘訣は何か。

毎シリーズ追いかけてきた私は、本作の流れが今までにあったニュージェネシリーズと違うものとなっていることが重要だと感じている。

 

ウルトラマン50周年のウルトラマンオーブは「今までのシリーズをぶち壊し、新しいウルトラマンを今後どう作ったらいいかの実験」と制作発表の会見にて田口監督は言った。その目論見は見事成功し、オーブは多くの支持を得た。

それからジード〜タイガまではこのオーブの成功を受け、大まかな物語の流れは固定されたとも言える。しかし、今作Zはこの流れから脱しようとしている。

 

Zには、ほぼ新規怪獣がいない。

登場したのは最初のゲネガーグ、バロッサ星人、グルジオライデン(改造だがほぼグルジオキング)の3体だけ。また例年だったらパワーアップ回には新たな中ボス怪獣が登場し、二週に渡って展開していくのが当たり前だが、なんと今回中ボスはXのラスボス怪獣グリーザで新規ではない。しかも、1話で物語を締めさせた。だが、ハルキの挫折、ブルトンを通しての父との再会を経て自身の戦う意味を再確認できたハルキは非常にかっこよく、圧倒的なクオリティの特撮の数々に感動できる回となっていた。

 

このように例年に比べて新規怪獣を少なくし販売のなかった人気怪獣の持つ魅力をより引き立て、ソフビ販売の売り上げをアップ。その代わりに繰り広げられる画期的で意欲的な特撮の数々で新規ファンを魅了。

この方針は明らかに実験的でありそして、それはまた成功したと言える。

 

 

ウルトラマンは多額の予算に見合う売り上げが獲得できず赤字となり、元放送枠のTBSとも仲違いし、パチンコ会社フィールズの子会社となった。

この放送していない時期は、同特撮番組「仮面ライダー」のヒットと比べられ、「暗黒期」と呼ばれている。

 

私はウルトラマン仮面ライダーの歴史的売り上げの違いに、「仮面ライダーは良い意味で変わる道を選び、ウルトラマンは変わらない道を選んだ結果」と考えています。

 

そして、今ウルトラマンは「時代に合わせ変わる道を模索している」時期でありその「答え」のデータは着々と集まっている。

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エース客演やバラバで昭和ファンを引き込ませ、この目まぐるしい回転カットを入れ子供や新規ファンを魅了した。

 

主要ヴィランセレブロ」も例年と違う流れになってきた。

いつもだったら敵の目的は中ボス怪獣の時点で判明できていたが、結局分からず終い。しかも、宿主を変えてしまう展開は予想できてはいた(ジャグラーの体に寄生場所を変えダークゼットライザーを使い実験を始める後半を予想していた)がわりかしあっさりと変え、それをジャグラーが手助けしたとして、ますます予想できない展開になってきた。

 

「脚本は逆算して作った」という発言から考えれば、ここからは怒涛の展開となりもっと盛り上がるんでしょう。ウルトラマンZはいったいどこまでいくのだろう。とても楽しみだ。